第5回海老名・日曜トークサロン「自分の人生を振り返り、これからの人生設計についてどう考えて行くか」 3/17(日)開催報告

海老名市史

日時:平成31(2019)年3月17日(日)14時~17時

講師をつとめた本間浩一が、当日の様子の記録を残させていただきます。

当日の準備(13時から)

開催1時間前の13時。準備のため、海老名・共助社会づくり推進の会 のスタッフと講師が集合。
海老名市立総合福祉会館は、 小田急・相鉄 の海老名駅とJR相模線の海老名駅に挟まれた地区にあり、いずれからも歩いて10分ほど。駅前では高層マンションの工事が行われていました。昔を知る方からは、かつてはこの地区には何もなかったというお話を聞きました。

現在は、2つの駅は広い渡り廊下で結ばれ、それぞれの駅の周りには商業施設が立ち並んでいます。日曜の午後、たくさんの家族連れがショッピングや食事に訪れていました。

会場では、スタッフが手際よく準備を進めます。 島形式 の机と椅子の設置、テーブル上への資料配布、投影スクリーンとプロジェクターの準備、参考資料展示コーナーの配置を行います。参加者のご来場前に、余裕をもって準備完了です。

事前のお打合せで、参加者は海老名市出身の方は少ないということをお聞きしていました。以前は農業中心の町だったものが、東京や横浜の近郊としてベッドタウン化し、あるいは企業の事業所の誘致などによりそこに勤める方もたくさん引っ越してきていらっしゃるということでした。
仕事中心の現役時代は、地元コミュニティでのつながりは後回しになりがちでしょう。しかし、後半生を生きる地元のことをもっと知ることは”これからの人生設計”に必要です。そこで、試しに、杉崎会長に お願いして隣接する市立中央図書館から 「海老名市史」 を借りだしていただき皆さんに紹介しようと考えました。(冒頭の写真) 会場準備のスタッフも、そういうものがあることをご存じなかったとのことです。

加者のご来場(13時半頃から)

13時半を過ぎると、参加者の来場が始まりました。受付を済ませ、指示を受けたテーブルに 3人ないし4人のグループ 分かれて着席してもらいます。
開始時間には、申し込まれた方の大半が来場されました。講義開始直後に最後のお一人もいらっしゃり、無事全員参加となりました。
参加者の年代は、10代から90代まで。70歳以上の年齢巾というのは、講師として初体験です。

開会(14時)

海老名・共助社会づくり推進の会 の杉崎会長が司会進行をされ、森副会長の挨拶でトークサロン開始です。

セミナー&ワークショップ(14時15分から16時55分まで)

講師の本間浩一が登壇、「自分史の活用推進」の活動を中心に自己紹介をします。昭和から平成にかけての歴代の洗濯道具を写真で紹介したあと、 たらいで洗濯中の母の脇で泣いている自身の幼少の頃の写真の思い出を語っておわります。

このあと、今日一緒にワークをすすめる者同士の自己紹介を始めます。お名前、住まいに加えてご自身の「思い出の洗濯体験」についてお話してもらいました。

次はいよいよ参加者が参加するワークショップです。まずはこれまでの人生を「ライフチャート」を使って振り返る個人ワークです。

どんなふうに書いていけばいいのかわかるよう、講師が自身のライフチャートの 事例を示して説明しました。そのあと、参加者は白紙のライフチャートに、一年一年をじっくり思い出しその時その時の自分の充実度・満足度を グラフにして書いていきます。
上下するライフチャートのカーブのピークや底にはいろいろな思い出が書き加えられます。

次に「時代分け」です。連続している人生に、もし「章立て」をするならと考えながら「時代」を分けてそれぞれにタイトル命名をしてもらいます。

個々人のライフチャートが完成したら、グループ内でお互いのチャートを共有します。年代がばらばらのグループで初対面同士でこれまでの歴史を共有します。お話をすること、聴くことを楽しみながら場が温まってきます。

共有が済んだら、今度はもう一枚のシート「人生の評価」に、切り分けた時代の年代とタイトルを転記し、そのタイトルに結び付く体験を洗い出していきます。

ここまでで前半が終了。10分の休憩時間には、会場後方に展示した「一枚の自分史」サンプル、自分史・ファミリーヒストリーの実物などを見ていただきました。
参加者皆さんにお聞きしたところ、もともと海老名市出身という方は1名だけでした。その方も「海老名市史」は初めて見たということでした。他の方々もご出身地には同じような記録が図書館にあるので機会があれば一度ご覧になることをお勧めしました。古代から始まることが多い地域誌ですが、最新の1巻に昭和以降の歴史が書かれていることが多かろうと思います。市内の地区ごとの歴史を読み解くと、案外自分との接点も発見できるかもしれません。

休憩後は、時代ごとの経験に共通することや築き上げた土台を深掘りしていきます。実際に書き出してみることで、ひとまとめにくるんでしまっていた記憶がほどけて、思わぬ発見もでてきます。

2度目のグループ共有のあとは、最後のワーク「人生のデザイン」です。”次の時代”を決めて、それは何年までか、どんなタイトルをつけるかを考えていただきます。

3度目の共有では、その”次の時代”の終了時にいると仮定して振り返りのコメントをしていただきました。「まだ経験していない未来を振り返る」体験も、いつもとは違う視点での人生の観察です。

個人ワーク、グループワークともに、おひとりあたりの時間は数分ずつです。人によって進行ペースが違うため、講師が全体の状況を見ながら適宜調整しながら時間を決め進行しました。

多様な参加者とのグループワーク体験は初めてという方もいらっしゃったかもしれません。楽しめる場合も、すこし緊張したり居心地がわるく感じる場合もあるかもしれません。そういった相互理解に対面する経験の積み重ねは、主催団体の名称にも掲げられた「共助社会」の基盤となっていくのではないかとも考えています。

今回は、多彩な年代から多数ご参加いただいたことに感謝しております。

p.s. 終了後、 海老名・共助社会づくり推進の会 のスタッフ のみなさんと、懇親会でお話ができました。私にとっても海老名とそこに住むお一人お一人を知る機会となりました。今後も、引き続き、地域での活動をされている皆様とコラボして「自分史」に関係する活動を役立てていただきたいと考えています。

参加者のご意見、ご感想(アンケート用紙から一部を抜粋)

  • これから何をやるか?明らかになった。
  • ゆっくり前進
  • とてもいい話が聞けて良かった。
  • これまでを振り返ることができ、グループワークは、大変充実しておりました。貴重な機会を有り難うございました。
  • 今、人生のターニングポイントにあるのですが、とても、前向きなやる気がおこりました。ありがとうございました。すばらしいご活動のあり方にとてもいい刺激と学びをさせていただきました。
  • ためになりました。ありがとうございました。
  • 本間先生よかった。ありがとうございました。
  • 大変参考になりました。サロン形式はとても良いと思います。

 参考:今回の講座についての募集広報はこちらです。

以下、概要です。

《講座の趣旨》

今回のテーマは自分のこれまでの人生を振り返り、これからの生き方を考える良い機会になる日曜トークサロンにしたいと思っております。
人生100年時代を迎え、若者も高齢者も自分らしい生き方・自分が求めている理想的な人生とはどんな人生か、自分が望む人生のゴールを目指してこれからの自分の生き方、ライフ(人生)チャートを見つけたいと思われている方のご参加を期待しています。

私たちは毎日を過ごす中で、無意識に沢山の選択をしています。その選択の基準になっているのが価値観です。これからの人生に向けて、多様な価値観の中から、優先順位を付けて自分らしい生き方を見つけられたら良いですね。

今回の日曜トークサロンでは、参加者の一人ひとりが、これまでの人生の様々な経験・自分を取り巻く環境など、人生を支えている土台を再評価し、心の底から、到達したい人生の目標が見つけられる機会になれば良いと思っております。

「海老名・共助社会づくり推進の会」会長: 杉﨑文男

主催者: 海老名・共助社会づくり推進の会

講座の流れ

  • 講演 自分史づくりとこれからの人生設計、全国の自分史活動の紹介
  • ワークショップ ライフチャートを使った振り返りと未来のディスカッション

講師: 本間浩一(ワークショップ「自分史カフェ」運営・企画)

会場: 海老名市立総合福祉会館の「第1娯楽室」

海老名市めぐみ町6-3