業界団体の勉強会で「自分史セミナー」@AI&ロボット委員会

きっかけ

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(略称:MCPC)は、 通信キャリア、コンピュータハードメーカ・ソフトメーカ、システムインテグレータ等が協力してモバイルコンピューティングシステムの環境整備を推進していくために設立された団体です。

その団体のなかの「AI&ロボット委員会」から依頼され、委員の皆様が集まるバイオ&ヘルスケアワーキンググループの会合の場で、私(自分史カフェの本間浩一)が勉強会の講師をさせていただきました。

今回、依頼の連絡をいただいたのは委員長からでした。長野県小諸市で開催した自分史講座のことをあとでお知りになったのがきっかけで、2つの観点で 「自分史」 に関心をもたれたそうです。

一つは、「自分史」がご活動のキーワードである ”ヘルスケア”という文脈に位置づけられるのではないかということ。もう一つは、ご参加の委員の皆様が個人的にも リタイア後の後半生のことを意識する 年代だということでした。

会場は、港区の東京タワーのすぐ近くのビルにある会議室でした。久しぶりにタワーを下から見上げて、高度成長期の 日本の 勢いの象徴だったことを思い出します。完成は昭和33年(1958)、偶然ですが本日の出席者が生まれた時代ですから同級生のようなものかもしれません。

タワーに向かう登り坂では、 見物に訪れたリタイア年代と思われる海外のグループ が街歩きを楽しんでいました。

講座前半は、自分史の歴史と活用方法についての講義です。

講座の前半では、戦後「自分史」という言葉が創られてから現在に至るまでの歴史や、講師が1990年代以降に携わってきた取組の紹介をしました。そして、自分史の活用が大きな広がりを持っていることを事例を交えてご案内しました。

自分史の勉強会をいろいろな場面で行ってきましたが、 五十代後半の男性ビジネスマン、しかも技術系の方々が中心でという集まりは初めての体験です。

様々な世代の男女が集うワークショップ運営が最近は多かったため、会場の雰囲気の違いを感じずにはいられません。皆さん、表情を崩したりすることなくおしゃべりもせずに真剣に聞いていただきました。いわゆる”理科系”の学生時代の教室の雰囲気を思い出しました。

後半は、ライフチャートを使った振り返りの体験です。

後半は、実際にご自身を題材に自分史づくりの体験をしていただきました。ライフチャートというツールを使ってこれまでの人生を概観するワークの説明をしたあとは、食事をしながら個々に振り返りをしていただきます。

皆さん、黙って黙々とワークを進めていらっしゃいましたが、私が委員長とひとことふたことことばを交わしたら他の方もそれにことばを重ねていただいけました。ようやく緊張がほぐれました。

共通で体験したことの話で盛り上がるのは同世代だからでしょう。

完成したライフチャートのいくつかの「自分の時代」に分けるところまでできたら、次はテーブルごとの共有です。持ち時間は3分間、砂時計を返して”本日一番早く起きた方”から時計回りで発表・共有をしていただきます。

委員会で長く一緒にお仕事をされてきて、同世代であっても、仕事以外のことは知らないことも多いでしょう。3分間で語る「自分史のさわり」を交換しただけで初めて知った接点など多くの発見があったようです。

グループワークのあとは、自分史を起点にしたさらなる広がりの事例を紹介をして終了になりました。

もうひとつの収穫

セミナー終了後、名刺交換をさせていただきました。AIの研究を長年続けてこられた方ですでに自分史を3冊も書かれているという方がいらっしゃり驚きました。この領域の大先輩に講義をしていたのかと思うと冷や汗ものでもありました。

さて、セミナーの冒頭で講師の自己紹介の際に、お勤めの企業の「社史」や「企業博物館」についてご存知のことがあれば教えてほしいとお願いしていました。何人か、情報を教えていただきました。訪問したい企業博物館リストがいくつか追加になりました。私にとっても収穫のある機会になりました。